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Fate cross Demon City - prologue.....



そこはそこではない空間があった。
ほのかな炎の明かりと青い月光に照らされた空間
確かに"部屋"なのに、奥をみると果てがないように思える
様々な形状のビンの中に様々な薬品・・なのだろうかほのかに発光する液体や砂のようなもの
何かの固形物が蠢いている棚がある
鬱蒼と茂る植物がある、どう見てもこの部屋に入りそうにないが・・・
しかしこの部屋に入ったものは、そんなことはどうでもよくなる
精緻な彫刻の施された重厚な造りの机に向かっている白い奇跡を見てしまったら。
美の神も赤面するような白皙の貴公子然とした奇跡は白いケープを纏い流れるぬばたまの長髪を
自然に垂らしていた
惜しむらくはここには当の本人以外誰もいないということ

ふと顔を上げると、そこにはもう一つの奇跡があった
黒いロングコートを着た黒天使は春の陽だまりであくびをしている子猫のような雰囲気を纏っていた
白い奇跡に勝るとも劣らない美しい黒い天使がそこにあった


本来、この部屋は誰も入れないようになっている、目の前の例外を除いて

「これ、おみやげ。ちょっといい出来だと思うよ」黒い天使が紙袋を机の上に置きながら茫洋と言った
「どうした。此処にくるのは珍しいが、どういう風の吹き回しかな、
もしや治療が必要かな?」と末期ガン患者が痛みを忘れて魅了されてしまうような微笑にをうかべた。
「どうもそうみたいだ」

「・・何?」いつもと違う言葉を聞いて微笑を収め真剣な顔になる。
「1~2日ほど、原因不明の症状が出る。存在が揺らぐような。実体が透き通るような。」
「ふむ、何かに”呼ばれ”ているのか?
いずれにせよ、たった今から君は私の”患者”だ、全身全霊をもって治療にあたろう」
心にずしんとくる荘厳な声音だった。
この言葉を聞いた人間は例外なく今までの悪事を改心して涙を流して悔い改めるに違いない。

「う~ん、でも入院はやだなぁ、遠慮しときたい。依頼もあるし。」例外がいた。
「ほう。ここ数日は暇だと風の頼りに聞いていたのだが?」いつのまにか机の前に立って黒い天使と
向き合っていた。

「・・・なんのことかな~」あさってのほうを向いて口笛を吹く真似をするが、棒読みだった
「では、病室を用意しよう」
後ろを振り返り机を見やった
「おや?」茫洋とした声がした
視線を戻すと消えかかっている”患者”がいた。
「う~む、参ったな」相も変わらずのほほんとした言葉を残して黒い天使は消えた。

しばらく思案していた白い顔は
「我が院長室から、私がいる前で”患者”を攫うか。」
ケープを翻して部屋の”奥”へ向かった。
「患者を取り戻さねばなるまい。私の名にかけて」

その言葉を聞いた人間は、”ここ”の住人であれば恐怖するに違いない。かの医師の患者を奪うということが
何を意味するかを。