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Interlude - 1 転移


「う~む、参ったな」
だんだん院長室がぼやけていく、メフィストがこちらを振り向く
その時点でブラックアプトした。
落ちていくような飛んでいるような上下感がなくなり、方向感覚がなくなるような違和感、何度か経験したことがあるが、
界を渡っているらしい。
「さて、今度も戻ってこれるかな。ま、なるようになるさ。」
院長室の机に繋いだ妖糸の感触も無くなった。

ふっと、光が見える。どうも終点のようだ。
光が広がる、自分を包んでいく。何か遠くから悲鳴のようなものが聞こえた。
ふっと気がついたら空中だった。とはいっても床から1mほど上だ。
すっと降りる。どうもここは地下室?床にはいまだに微光を放つ魔法陣。その前に両手を血だらけにした少女が倒れている。
今までの異世界と少々違う。
記憶?知識?が流れてくる。ふむ。
少女が呻く
「せ、せいはい・・を・・、
いっしょに・・・
たたかって・・・」

我が身はサーヴァントという存在らしい。ただ、この召喚はだいぶイレギュラーのようだ。
まあ、眼の前の少女がここに呼んだのだろう。
少女は15~6に見えた。まだあどけない。放っておいてもよかったが、とりあえず、治療をするとしよう。
探索用の妖糸を飛ばし付近を探る。ヌーレンブルグの家にも似ているがずっと簡素だ。次元歪曲等も使っていない。
「ふむ、普通の洋館に地下室がいくつか付いた形か。」
「さて、医療具は・・・」

見つけ出した医薬品、包帯などで両手を治療した。
とりあえず、屋敷で唯一生活感があってベッドがある部屋が少女の寝室だろうとあたりをつけた。
「血だらけのままの服もまずいか。」
ベッドの上にあった寝間着らしきものに着替えさせて、ベッドに放り込む。
さて、とりあえずは居間に置いてあった新聞を、情報収集がてら見てみる。
幸い文字は変わらないようで、普通に読めた。
読み取れたのは、文化レベルはあまり変わらないが、技術レベルが大きく異なる。
最も大きな違いは普通の<新宿>があり、平和だということ。
街中で対戦ヘリと個人用移動要塞の戦闘などもなく、殺人は大々的に報道されている。
「まいったな、完全な平行世界か。厄介な。」
ある意味、今までの異界に比べてやりにくい状況だ。

とはいえ、情報がないので、いかんともし難い。

一つ疑問は、地下室に一週間ほど前に売った秋せんべい店の煎餅があるということ。
「はて、恒常的につながってるルートがあるのかな?」
そのルートがあるのであれば帰るのは容易い。しかし、<新宿>の妖物が流れ込んだりしないのだろうか?
「ま、いっか、誰かが考えるだろう。」
思考を放棄した。

とりあえずは少女が起きてくるのを居間で待つとしよう。

朝になり、少女が起きた。あわてて地下室のほうに駆けていく。転びそうだったので、ちょっと支えたが。

しばらくして居間に入ってきた。
さて、平行世界の少女とのファーストコンタクトは・・・・
「おはよう、顔色が悪いけど、大丈夫かな?」